デジタル時代の「集中力」の科学:グロリア・マーク著【20240823配信】
これはPSYCHE Morning Tips 第5回の配信内容のまとめです。
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こんにちは、読者の皆さん。今回は、カリフォルニア大学の教授で、約20年にわたってデジタルメディアが人間の生活に与える影響を研究しているグロリア・マーク氏の著書「アテンション・スパン」から学んだ、集中力を最大化する方法についてお話しします。
集中力の現状
実は、私たちの集中力は年々低下しています。15年以上にわたる研究によると、現在のパソコン画面を見ている時の平均的な集中持続時間はわずか44秒だそうです。
これは、SNSやメール、TikTok、LINEなどのアプリの通知によって、私たちが常に気が散る状況に置かれているからです。
ノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモン氏は、「情報が多すぎる社会では、人間の注意力こそが最も重要な資産になる」と指摘しています。
集中力を高める6つの方法
グロリア・マーク氏の研究から、集中力を高める6つの方法をご紹介します。
- 集中力がピークの時に大事な仕事を行う
- 多くの人は午前11時と午後3時頃に集中力のピークを迎えます。
- マルチタスクよりシングルタスクを意識する
- 人間は本来、シングルタスクしかできません。マルチタスクは集中力を大きく消耗させます。
- 区切りのいいところで作業を中断する
- 中途半端なところで中断すると、その仕事のことが頭から離れず、集中力を無駄に使ってしまいます。次の作業手順をメモしておくことも大切。
- 疲れたら休憩を取って集中力を回復させる
- 短時間で集中力を回復させる。散歩する、自然に触れる、単純なゲームや動画を見るなどがおすすめです。
- 気が散らないようにスマホの通知をオフにしたり、サイトをブロックしたりする
- 特に自制心が弱い人は、強制的に気が散る要因を排除することが効果的です。
- 毎朝、1日の目標を明確にする
- パソコンの電源を入れる際に、今日は何を達成したいかを自問することで、集中力が高まります。
注意力の価値
現代社会では、企業やインフルエンサーが私たちの注意を引くことにしのぎを削っています。なぜなら、注意力はお金に直結するからです。
ハーバート・サイモン氏が言うように、情報過多の社会では、注意力こそが最も重要な資産なのです。
つまり、私たちはお金を大切に扱うように、自分の注意力も大切に扱う必要があります。注意力をうまく使えば、より多くの成果を上げたり、価値のあるものを生み出したりすることができます。
実践のポイント
これらの方法を実践する上でのポイントをお伝えします。
まず、すべてを一度に完璧に実行しようとしないことです。1つずつ、自分なりに気になったポイントを実践してみてください。
次に、自分の集中力のパターンを知ることです。自分がいつ最も集中できるのか、どんな環境で集中力が高まるのかを観察してみましょう。
そして、定期的に自分の集中力の状態をチェックすることです。集中力が落ちてきたと感じたら、休憩を取ったり、環境を変えたりして、リフレッシュすることが大切です。
まとめ
今回のポイントをまとめると以下のようになります:
- 集中力のピーク時に重要な仕事をする
- シングルタスクを心がける
- 区切りのいいところで作業を中断する
- 適切な休憩を取る
- 気が散る要因を排除する
- 毎日の目標を明確にする
- 注意力を大切な資産として扱う
これらの方法を意識するだけでも、きっと集中力が少し高まるはずです。今日から、少しずつ実践してみてはいかがでしょうか?
私自身、区切りのいいところで作業を中断するというポイントを意識するようになってから、仕事の効率が上がった気がします。皆さんも、自分に合った方法を見つけて、集中力を高めていってください。
それでは、今日も一日、集中力高く充実した時間を過ごしましょう。