メンタル脳:アンデシュ・ハンセン著【20240902配信】
これはPSYCHE Morning Tips 第11回の配信内容のまとめです。
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こんにちは、読者の皆さん。今回は、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏の著書「メンタル脳」から学んだ、メンタルを安定させる方法についてお話しします。
私たちの脳のメカニズム
まず、私たちの脳のメカニズムについて考えてみましょう。ハンセン博士によると、私たちの脳は今でもサバンナで狩猟採集をして暮らしていると思っているそうです。
つまり、スマホやSNS、ゲーム、AIなど、身の回りの環境が急激に変化しているのに、脳はまだ昔の環境に適応したままなのです。これは無理もありません。人類は約200万年前に誕生してからずっと狩猟採集をして生きてきて、農業が始まったのはたった1万年前のことです。そして、ここ最近の科学や産業の急激な変化はたった150年くらいの短い間に起きたことなのです。
この「脳と現代環境のズレ」が、多くの不調の原因になっています。例えば:
- 食べ物が豊富にあるのに、脳は食べ物が不足していると勘違いして食べ過ぎてしまう
- SNSで常に他人の情報が入ってきて、脳が疲れてしまう
- 椅子に座りっぱなしの生活で体を動かさない
感情の役割と孤独の影響
次に、感情の役割について考えてみましょう。脳は感情という道具を使って、私たちを危険から守っているのです。
例えば、崖を歩く時や物音がした時に不安や恐怖を感じるのは、脳が私たちを守ろうとしているからです。つまり、不安や恐怖を感じることは、生き延びるために必要なことなのです。
また、私たちは孤独に強い不安を感じるようにできています。これは、サバンナで暮らしていた頃、群れから追い出されることが死を意味したからです。
実際、医学博士のリベッカ・マーシーによると、孤独の健康への悪影響は1日15本のタバコを吸うのと同じくらい体に悪いそうです。孤独は心臓病、脳卒中、うつ病、認知症などのリスクを高めるのです。
ストレスと不安について
ストレスや不安について、重要なポイントがあります。問題なのは、ストレスや不安そのものではなく、それが長く続くことなのです。
軽いストレスや不安は、むしろ私たちを準備させたり、集中力を高めたりする効果があります。例えば、将来が不安だから投資や年金の準備をするといったことです。
しかし、ストレスや不安が長く強く続くと、心が折れてしまいます。サバンナで例えると、1週間ずっとライオンと戦い続けるようなものです。
このような状況が続くと、脳は「何かがおかしい」と感じて、私たちの気分を大きく落ち込ませ、強制的に引きこもらせようとします。これが、うつ病の一因になっているのです。
メンタルを安定させる5つの方法
では、具体的にメンタルを安定させる方法を5つ紹介します。
- 運動する: サバンナ時代の私たちの先祖は、1日3時間は狩猟採集をし、1万5000歩以上歩いていました。運動は不安を減らし、うつやPTSDにも効果があります。週に4回、30分から60分の有酸素運動がおすすめです。
- 信頼できる人たちに囲まれる: ハーバード大学の75年にわたる研究によると、私たちを健康に幸福にするのは良い人間関係だそうです。深くて親しい仲間が数人いることが大切です。
- 毎日7〜8時間以上寝る: 睡眠中に脳では老廃物の掃除が行われています。日本人の平均睡眠時間は短いので、意識して睡眠時間を確保しましょう。
- SNSやニュースを控える: SNSでの比較や悪いニュースの過剰摂取は、メンタルに悪影響を与えます。特に調子が悪い時は、SNSの使用を1日1時間程度に制限するのがいいでしょう。
- 自分と他人にとって意味のあることに没頭する: 何かに夢中になっている時、人は最も幸せを感じます。自分の能力を活かして他人の役に立つことに没頭すると、より良い気分になりやすいです。
まとめ
今回のポイントをまとめると以下のようになります:
- 私たちの脳は今でもサバンナ時代の環境に適応している
- 感情は私たちを守るための道具
- 孤独は健康に大きな悪影響を与える
- ストレスや不安そのものより、それが長く続くことが問題
- 運動、人間関係、睡眠、SNSの制限、没頭できる活動が重要
私も以前はメンタルの不調に悩まされていました。でも、この本の方法を実践してみて、特に運動と睡眠時間の確保が効果的だと感じています。
皆さんも、今日から少しずつ、メンタルを安定させる方法を試してみませんか?きっと、新しい自分との出会いがあるはずです。
それでは、今日も素敵な一日を。