「怠惰」なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論:デヴォン・プライス【20240906配信】
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これはPSYCHE Morning Tips 第15回の配信内容のまとめです。
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書籍の購入はコチラ(Amazon) こんにちは、読者の皆さん。今回は、社会心理学者で作家のデヴォン・プライス氏の著書「「怠惰」なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論」から学んだ、ダラダラすることの大切さについてお話しします。
生産性至上主義の問題点
まず、私たちの社会には「生産性至上主義」とも言える風潮があります。つまり、人の価値を職業や勤勉さ、生産性の高さで測る傾向があるのです。
特に日本では、勤勉に働くことは美徳であり、頑張ることは美しい、努力が全てみたいな思想が強いですよね。
プライス氏も以前は、起きている時間の全てを生産的な活動で埋めていたそうです。長時間労働の後にスペイン語の勉強をし、プログラミングを学び、運動をする...。でも、そんな生活を続けているうちに、徐々に心身に不調をきたすようになったのです。
結局、プライス氏が回復したのは「休養」だったそうです。つまり、何もしない、生産性ゼロの純粋な休養が、自分の回復に必要だったということなのです。
怠けることの重要性
では、なぜ「怠ける」ことが大切なのでしょうか。
まず、「怠けたくなる」という気持ちは、実は心身の警告信号なのです。休みたい、ダラダラしたい、今日はもう何もしたくないという気持ちは、自分に回復が必要だというサインなのです。
また、人間は1日に8時間も働けるようにはできていないのです。心理学者のアーネット・タウラージによると、人は1日8時間を職場で過ごしていても、実際に集中しているのは2-3時間程度だそうです。
残りの時間は、軽食や飲み物の準備、SNSの閲覧、ネットショッピング、タバコ休憩など、大なり小なり「怠けている」時間なのです。
ダラダラする方法
では、具体的にどうやって「ダラダラ」すればいいのでしょうか。プライス氏は3つの方法を提案しています:
- 生産性=善という考えをやめてみる
- ダラダラしたいと感じたら勇気を持ってノーと断る
- 生産性ゼロの純粋な休日をとってみる
1つ目の「生産性=善という考えをやめる」というのは、生産性を上げることだけが良いことだと考えると、何もしない時間を無駄だと感じてしまうのです。でも、プライス氏は「ただ生きているだけで自分には価値がある」と考えることが大切だと言っています。
2つ目の「ノーと断る」というのは、自分の限界や欲求を素直に認めることです。これは弱さではなく、むしろ強さの証だとプライス氏は言っています。
3つ目の「純粋な休日」というのは、何もしない時間を大切にするということです。タスクをいくつ処理できたかではなく、自分の本当の気持ちに従って過ごすのです。
ダラダラすることの効果
ダラダラすることで、どんな効果が得られるのでしょうか。
まず、心身の健康が改善されます。プライス氏自身、働きすぎて体調を崩した経験から、休養の大切さを学んだのですね。
次に、創造性が高まります。常に何かに追われている状態では、新しいアイデアは生まれにくいのです。ボーッとする時間があることで、思わぬひらめきが生まれることがあります。
最後に、人生の質が向上します。仕事だけでなく、自分の興味や人間関係にも時間を使うことで、より豊かな人生を送ることができるのです。
まとめ
今回のポイントをまとめると以下のようになります:
- 現代社会には生産性至上主義がある
- 怠けたくなるのは心身の警告信号
- 人間は1日8時間も集中して働けるようにはできていない
- ダラダラすることで、健康、創造性、人生の質が向上する
確かに、怠けるためにはお金が必要だと感じる人もいるかもしれません。でも、お金は最悪の場合、国から給付されることもありますし、働けば手に入れることができます。
しかし、健康はそうはいきません。一度失うと、なかなか取り戻せないし、誰からももらうことはできません。だからこそ、仕事とお金、健康、そして余暇のバランスをもう一度見直してみることが大切だと思います。
皆さんも、今日から少し「ダラダラ」する時間を作ってみませんか?それが、意外と人生を豊かにするかもしれません。
それでは、今日も充実した、でも少し「ダラダラ」も入れた一日を過ごしましょう。
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